社史? 周年史? 記念誌? 違いはどこに
同じような意味で使われることの多い「社史」「周年史(年史)」「記念誌」ですが、厳密にはそれぞれ冊子としての性格が異なります。
社史
社史とは企業が自社の歴史をまとめた印刷物です。多くの社史は、50周年、100周年など区切りの年に自社の歴史を残すことを目的として発行されます。
社史という名称が示す通り、会「社」の歴「史」をまとめたものが「社史」だと覚えればわかりやすいでしょう。
周年史(年史)
周年史(年史)は歴史をまとめた印刷物という点で内容や目的は社史と同じ。
違いは、社史が会社の歴史を残す冊子であるのに対し、周年史は労働組合や学校法人、公共団体など様々な団体を含むことです。
企業は「社史」「周年史」のどちらを使っても差し支えありません。
しかし労働組合が会社の歴史を表す「社史」を冊子のタイトルなどに使用するのは間違いです。
記念誌
歴史の記録を目的とする社史・周年史と異なり、何らかの出来事やイベントを記念して出版される印刷物を記念誌と言います。
歴史の記述は必ずしも必要ではありません。どちらかというと記念の出来事へのお祝いや関係者に感謝を表すことに重点が置かれます。
例えば御社が創業50年を迎えるにあたり、冊子を作ることになったとします。50年間の歴史を残すことに重きをおくのなら「社史」または「周年史」。
50周年を機に、ステークホルダーへ感謝の気持ちを伝えたり、この機会に自社のことを改めて知ってもらうのが目的であれば「記念誌」と呼ぶのがふさわしいでしょう。
大切なのは、制作を開始する前にどのような目的で、どんな内容の冊子を作るのかをしっかり決めて取り掛かることです。
そうすれば社内の意思統一が図れますし、途中でブレることもありません。
また冊子の呼び方で悩むこともないでしょう。
御社が作るのは「社史」「周年史」ですか? それとも「記念誌」ですか? あるいは両方の性格を兼ね備えたオリジナルな冊子ですか?